■身延山久遠寺16(御真骨堂の日蓮遺骨)

 

本堂、祖師堂、報恩閣、仏殿などの堂宇の並びに、御真骨堂がある。今はここに日蓮の真骨が奉安されている。

日蓮祖廟は、西谷の地にあるが、身延山久遠寺が11世日朝の代の文明六年(1478)に、西谷の地から現在地に移転・増築されたとき、久遠寺法主の守塔の任から、日蓮の真骨も祖廟から御真骨堂に移された。

御真骨堂は、拝殿と八角堂から成っていて、74世日鑑の代の明治十四年(1881)に再建されたものである。

御真骨堂1

 

祖師堂と御真骨堂の間に建てられている堂宇が「報恩閣」。ここはいわば身延山久遠寺の総合受付である。ここは日蓮立宗七百五十年慶讃事業として、91世日光の発願により、平成十四年(2002)3月に落成。正面入り口には91世日光の筆による「報恩閣」と書かれた扁額が掲げられています。

受付の他、参詣者休憩室もあり、日蓮宗新聞も備えつけられています。

報恩閣の前にある、樹齢四百年と言われている「しだれ桜」が有名。毎年3月下旬~4月上旬にかけ境内に樹齢400年ともいわれる枝垂桜と久遠寺周辺の数百本の桜が咲き乱れる。この時期は、多くの観桜の見物客やカメラマンが身延山久遠寺に押し寄せてきて、周辺道路も渋滞する。

 

御真骨堂のとなりの仏殿は、昭和六年(1931)の日蓮六百五十遠忌を記念して81世日布の代に建立された堂宇で、朝、昼12時、夕方3時からの勤行と特別法要を営む建物となっている。

 

御真骨堂拝殿の広場をはさんだ向かい側にある地上六階建ての建物が新納牌堂で、六階が釈迦殿になっている。本堂建立により釈迦堂をここに移したもの。納牌堂は1階から5階までで、全国信徒の先祖の遺骨を安置してある建物。

 

現在の久遠寺五重塔は3代目で2008年竣工。2009年に落慶法要が行われた。初代の塔は加賀前田利家の側室寿福院の建立によるもの。

 

開基堂とは、日蓮を身延に招いた波木井実長を祀っている堂宇。身延町指定文化財になっている。

 

水鳴楼とは、久遠寺歴代法主の住居で、一番奥の大奥が法主の居所。

身延山久遠寺は、日蓮宗の祖山・総本山になっているが、久遠寺法主がかならずしも日蓮宗管長になるとは限らない。久遠寺法主が日蓮宗管長を兼ねる時もあれば、そうでない時もある。

久遠寺法主が日蓮宗管長を兼ねない時は、池上本門寺・京都妙顕寺などの大本山貫首が日蓮宗管長になる場合が多い。

 

本堂・祖師堂・御真骨堂の周辺は、数多くの堂宇・伽藍が建ち並んでいます。