■玉沢・妙法華寺1(註法華経を格蔵)

 

玉沢・妙法華寺とは、静岡県三島市玉沢にある六老僧の筆頭・日昭を開祖とする日昭門流の本山で、日蓮宗の本山(由緒寺院)に格付けられている。正式名は経王山妙法華寺という。本山ではあるが、塔頭が覚林院の一院だけある。

妙法華寺は、国道1号線から一本脇に入った県道に面している。JR三島駅方面から行くと、まことにわかりやすく、一度目の訪問は三島駅から、ずいぶん前に電車・バスを乗り継いで行っています。

一回目の時はずいぶん前のことで、メモも残って折らず、記憶にもあまり残っていません。

二度目の訪問は、はっきりと寺跡調査をしようという目的で行っていまして、この時は車で神奈川・箱根方面からナビを頼りに行きました。箱根方面から車で行くと、ちょっと道が複雑で、ナビなしではおそらくたどり着けなかったのではないかと思います。

妙法華寺19本堂

 

玉沢・妙法華寺は、日蓮の本弟子・六老僧の日昭が開創した寺で、もともとは鎌倉の浜にあった法華寺が前身。

1284年(弘安7年)、日蓮の弟子日昭は風間信昭の帰依を受け、鎌倉浜土の玉沢(現鎌倉市材木座)に法華堂を建立した。1538年(天文7年)戦乱により、越後村田(現新潟県長岡市村田)の妙法寺に避難。さらに1594年(文禄3年)戦乱により、伊豆加殿(現静岡県伊豆市)の妙国寺に避難した。村田妙法寺は風間信昭開基の寺院であり、加殿妙国寺は日昭門流の寺院である。

その後、15代日産の時、1621年(元和7年)に大木沢(現在地)に移転し、日産、日達、日亮の3代に渡り再建された。大木沢は妙法華寺創建の地名をとって玉沢と改称された。

 

このように移転に移転を重ねて、鎌倉から今の玉沢の地に移ったわけですが、ここはたくさんの文化財を格蔵している寺院として有名です。

私の第一の関心も、ここにありました。

つまり玉沢・妙法華寺には、日蓮真筆の文献がいくつも残されています。

妙法華寺の境内には、三島市教育委員会が建てた文化財案内の看板が立てられていて、それによると

(1)   絹本著色日蓮上人像

(2)   絹本著色十界勧請大漫荼羅

(3)   日蓮自註 註法華経開結

(4)   日蓮筆 撰時抄

が、国の指定重要文化財になっていること、が書いてあります。

 

中でも注目されるのは、日蓮自註の註法華経。

妙法華寺24註法華経


これは西山本門寺に格蔵される「日蓮遷化記録」に出てくるものですが、日蓮正宗や創価学会の信者は

「日昭が身延山久遠寺から勝手に持ち出したまま、所在不明になっている」

ということを、ずいぶん前に聞いたことがありました。

しかし何のことはない。所在不明どころか、日昭門流の妙法華寺に格蔵されていて、しかも国の重要文化財に指定されている。

又、静岡県の池田・本覚寺に格蔵されている日位筆の「大聖人御葬送日記」の中に「御遺物配分事」という綱目があり、その中に

「註法華経一部十巻 弁阿闍梨」

となっており、註法華経が正統に弁阿闍梨日昭に配分されたことが記されている。

「勝手に持ち出した」と、あたかも日昭を盗人呼ばわりするとは、とんでもない言いがかりである。