■玉沢・妙法華寺4(日蓮の歯二粒を格蔵1)

 

玉沢・妙法華寺は、数々の文化財・霊宝の類を格蔵しており、註法華経、撰時抄の他には、鎌倉時代の土佐大蔵卿筆の「日蓮上人説法図」と「絵漫荼羅」が国の重要文化財に指定されています。

妙法華寺25文化財案内


さらに立正安国会の「日蓮大聖人御真蹟御本尊集」にも載っている「伝法大本尊」「祈祷本尊」といった日蓮真筆の大漫荼羅本尊、日蓮真筆の消息類8通を格蔵しています。

この辺の所は、妙法華寺境内に建てられている三島市教育委員会の看板に書いてありますし、立正安国会の「日蓮大聖人御真蹟御本尊集」や立正大学日蓮教学研究所編「昭和定本日蓮聖人遺文全集」といった書物を調べれば、載っています。

 

玉沢・妙法華寺が格蔵している什宝の中で、以外と知られていないのが、「日蓮の歯」である。

あの日蓮の「歯」が、玉沢・妙法華寺に格蔵されているのである。

日蓮の「歯」を格蔵している寺院は、日本全国各地にいくつかあります。この玉沢・妙法華寺だけではありません。

まずは日蓮入滅の霊跡として有名な東京・池上の池上本門寺。池上本門寺本殿に祀られている日蓮・祖師像の胎内に、日蓮の「歯」が格蔵されているということです。

 

二番目には、千葉県勝浦市の本行寺釈迦堂。

ここの日蓮の歯は、享保8年(1723年)の五十座に際し、池上本門寺より日蓮の歯骨が分与されて、厨子に格蔵されているとのこと。この釈迦堂は、わざわざ日蓮の歯を収蔵するために建てられた堂宇とのことで、勝浦市の公式ホームページにも載っています。

又、池上本門寺から日蓮の歯が本行寺に分骨されたことも、池上本門寺発行の正式文献「妙玄院日等聖人」という本のp16に載っており、池上本門寺としても、本行寺に分骨したことを認めています。

 

三番目には、新潟県佐渡市の一の谷・妙照寺。

佐渡・一の谷というと、日蓮が「観心本尊抄」を述作したことで有名な地ですが、ここが格蔵している日蓮の歯は、佼成出版社刊行「写真紀行・日本の祖師日蓮を歩く」の中で紹介されており、日蓮宗新聞社刊行「日蓮宗本山めぐり」という本の中にも、妙照寺の什宝として「宗祖(日蓮)御歯」とあります。しかし、妙照寺格蔵の「日蓮の歯」は、伝承の経緯が不明確であり、真偽未決というべきです。

 

 

それから四番目にこの玉沢・妙法華寺が格蔵している「日蓮の歯」。

玉沢・妙法華寺では、日蓮の歯のことを「御肉歯」と呼んでいて、「御肉歯二粒」を格蔵していると言っています。玉沢・妙法華寺は、日蓮の歯のことを「御肉歯」とは呼んでいますが、

池上本門寺でも「御肉歯」とか「御肉牙」と呼んでいます。

 

「御肉牙」というと、もうひとつ書かなくてはなりません。日蓮正宗大石寺が格蔵していると自称している「日蓮の歯」。大石寺でも日蓮の歯を「御肉牙」と自称しています。

創価学会二代会長で法華講総講頭の戸田城聖は

「肉が七百年のあいだに、だんだんだんだんふえて、ちょうど、まさに歯を包まんとしている」

「脈打っているのですよ、汗かいているのですよ、生きている」

「この肉がぜんぶ、広宣流布の時には、歯を包まれるだろうと予言あさばされている。」

などという、インチキな説法を行っていますが、そもそも日蓮正宗大石寺の自称・日蓮の歯・「御肉牙」は真っ赤なニセモノであり、後世の偽作です。

「日蓮正宗大石寺の『日蓮の御肉牙』は真っ赤なニセもの」

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15603021&comm_id=406970

 

ならば、玉沢・妙法華寺の「御肉歯」も怪しいのではないか、という人もいるかも知れないが、どうもいろいろ調べた結果としては、玉沢・妙法華寺の「御肉歯」は、日蓮の本物の歯のようなのです。

その最大の根拠は、玉沢・妙法華寺の開祖で六老僧第一の日昭から相承された玉沢・妙法華寺・日祐の1358(延文3)年の譲り状に、この「日蓮の歯」が出てくる、ということです。