■池上本門寺2(国の重要文化財の祖師像)

 

池上本門寺で有名なのは、まず大堂に祀られている日蓮・祖師像です。この祖師像は、国の重要文化財に指定されています。

大堂の中にある説明書きには、次のようにあります。(大堂内は写真撮影禁止であるため、文章を書き出します)

 

「日蓮大聖人御尊像

日蓮大聖人第七回忌に当たる正応元年(1288)に造立されたもので、気魄に満ちた御顔は、ご生前の真容をよく伝え、肖像彫刻としても鎌倉時代の傑作の一つに挙げられている。像高二尺八寸三分の木彫寄木造り、ご胎内には御聖骨を納めた銅筒があり、右手には母君妙蓮尼の遺髪を加えて作られたものと伝えられる払子を、左手には紺紙金泥の法華経経巻を捧持。

昭和二十年四月の大空襲にも難を免れた御尊像は、永遠に格護されるべき人類の至宝である。

 

大堂

昭和二十年(1945)四月十五日の大空襲で、全山の堂宇五十余棟を焼失した本門寺は、全国檀信徒の寄付丹精によって、昭和三十九年に大堂を再建した。

日蓮大聖人御尊像を奉安する大堂は、鉄筋コンクリート造り本瓦葺、入母屋屋根、間口十八間、奥行十九間半、高さ九十三尺(30メートル)、屋根瓦枚数69849枚、のべ面積820坪、大堂は日蓮大聖人のご精神と七百年の歴史を伝える法華経御題目布教の道場である」

 

大堂内は写真撮影禁止であるため、大堂内にある「日蓮大聖人御尊像」「大堂」の説明書きは筆写しました。日蓮祖師像の写真は、「霊寶殿—池上本門寺の御霊宝と文化遺産」に載っている写真です。

大堂はかなり大きな建物で、間口十八間、奥行十九間半の広さは、日蓮宗寺院建築の中でも最大級の堂宇だと思います。

これより大きい建物というと、身延山久遠寺本堂が間口十七間半、奥行き二十八間あります。しかし、池上本門寺大堂より大きな堂宇というのは、日蓮宗では、そんなにはないと思います。

 御会式22大堂

池上本門寺が刊行した正式文献「霊寶殿池上本門寺の御霊宝と文化遺産」によれば、日蓮・祖師像について、以下のように書いてあります。

 

「日蓮聖人御尊像  正応元年(1288) /重要文化財

 

日蓮聖人7回忌にあたり、六老僧の1人である日持聖人と日浄聖人が願主となって造立された等身大の坐像で、大堂に奉安されている。胎内には御真骨を収めた銅筒があり、その側面に

『弘安五年壬午十月十三日巳刻 御遷化/大別当 大国阿闍梨日朗/大施主 散位大仲臣宗仲』

他の刻名がある」

(「霊寶殿池上本門寺の御霊宝と文化遺産」p1)

 

池上本門寺大堂に祀られている日蓮祖師像は、国の重要文化財に指定されている文化財となっている。日本各地には、日蓮祖師像がけっこう見られますが、国の重要文化財に指定されている日蓮祖師像は、池上本門寺大堂の祖師像だけのはずです。

私としては、池上本門寺の日蓮祖師像が国の重要文化財に指定されていることについて、詳しく聞きたいと思い、文部科学省・文化庁の文化財担当係官に、取材しています。

池上大堂・日蓮2