■池上本門寺12(2011年・池上本門寺お会式紀行5)
池上本門寺御会式・「宗祖御更衣法要」の読経は、実に長い。正確な時間は計っていませんでしたが、延々と約1時間以上はつづいていたように思った。
さて寿量品の読経がはじまると、両サイドの外陣に座っていたご信者が、僧侶に案内されて、内陣にしずしずと歩き、ご焼香。信者の人達の焼香は、寿量品の読経から、さらにそれにつづく品の読経。さらに唱題に入ってからも延々とつづき、唱題が終わってからも、まだ焼香がつづいていました。それだけ、焼香する信者の人達の人数が多かったということでしょうか。
寿量品の読経がはじまってから信者が焼香する、というのは、日蓮宗の他の法要でも同じです。
日蓮正宗の法要や勤行でも、寿量品の読経がはじまると、焼香がはじまる。こういう化儀は、日蓮宗も日蓮正宗も共通しているようです。
というか、法要の読経・護摩の最中に焼香をするという化儀は、日蓮宗、日蓮正宗にとどまらず、
真言宗、曹洞宗、浄土宗、浄土真宗などの仏教各宗派の法要でよく見られる光景である。
さて大堂須弥壇中央に祀られている「日蓮聖人御尊像」(祖師像)の更衣なのですが、読経がはじまって、あるところで須弥壇の扉が閉められ、それから延々と閉扉されたままの状態で読経。
読経が終わって唱題がはじまったころに、ようやく須弥壇の扉が開けられ、日蓮祖師像が冬服の僧衣に更衣していた、という感じ。つまり、須弥壇の扉を閉めた中で、僧侶が更衣の作業を行っていたようです。
それと、日蓮宗の法要を見ていて面白いのは、マイクの司会者がいること。私も、日蓮宗の全ての法要に立ち会ったわけではありませんが、マイクの司会者がいる法要は何度もあった。
池上本門寺・お会式の各法要にも、マイクの司会者が居て、僧侶入場前にだいたいの法要の流れの説明や、携帯電話の電源を切るように等々の、注意事項の説明をする。
さらに僧侶の入場が完了したあとも、マイクの司会者が
「大導師は当山82世・酒井日慈山主、副導師は○○…」
という、説明がありました。
日蓮宗の法要の場合、内輪の僧侶、信者のみならず、大勢の一般世間の参拝客も訪れるから、こういうふうにしているんでしょうか。内輪の僧侶・信者だけだったら、大導師はだれそれ等々の説明は不要のはず。信者だったら、池上本門寺貫首の顔は百も承知でしょうから。
しかし一般世間の参拝客は、池上本門寺貫首の顔は知らない人が大半でしょう。
かく言う私も、池上本門寺の法要に出て、はじめて酒井日慈貫首の顔を知ったくらいで
「ああ、この人が池上本門寺の貫首猊下か」
と、わかったくらいです。
一般世間の側から見れば、「本日の大導師は○○、副導師は△△」という説明があったほうが、わかりやすくていいですけどね。
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