■池上本門寺26(池上本門寺の本殿2)

 

□日蓮宗寺院の堂宇の建て方と浄土真宗寺院の堂宇の建て方が実によく似ている

 

池上本門寺の本殿は、戦後、再興された堂宇で、戦前は、今の大堂の隣に釈迦堂が並んで建っていた。池上本門寺発刊の写真集「撮された戦前の本門寺」を見ると、大堂と釈迦堂が並んで建っている写真が掲載されている。

ちょうど今、霊宝殿が建っているあたりに釈迦堂が建てられていたと考えられる。

戦前の釈迦殿は、1710(宝永7)年の焼失後、1730(享保15)年に江戸幕府八代将軍・徳川吉宗の援助を得て再建。間口11間、奥行き10間で、扁額「釈迦殿」は、伏見宮親王の筆だった。

戦前の池上本門寺は、釈迦如来像と四菩薩像を祀る釈迦堂が、本堂に該当する堂宇だったのであり、この釈迦堂が1945(昭和20)年の東京大空襲で焼失したため、1969(昭和44)年に再建された堂宇が、今の本殿である。

池上初詣4本殿


だからあくまでも池上本門寺の大堂は、祖師像(日蓮像)を祀る堂宇で、日蓮宗寺院の祖師堂・御影堂に該当する堂宇である。

大堂3

 

日蓮宗寺院の場合、本山級の寺院に行くと日蓮祖師像を祀る祖師堂(御影堂)と釈迦如来像を祀る本堂(釈迦堂)が並んで建っている光景を目にする。実質的に中心堂宇が二つある、という言い方もできる。

面白いのは、こういう日蓮宗寺院の堂宇の建て方と浄土真宗寺院の堂宇の建て方が実によく似ているということ。

浄土真宗の本山級寺院に行くと、阿弥陀如来像を祀る阿弥陀堂と開祖・親鸞像を祀る御影堂の二堂が並んで建っている光景を目にする。浄土真宗は十派あるが、こういう堂宇の建て方は派を問わずに共通している。

浄土真宗でも御影堂で勤行や法要を行っているが、あくまでも寺院の本尊は阿弥陀如来像であり、本堂に該当する堂宇は阿弥陀堂。御影堂は、親鸞像を祀っているが、本尊として祀っているのではなく、あくまでも浄土真宗の開祖として祀っている。

では、日蓮宗は堂宇の建て方を浄土真宗の堂宇の建て方を模倣したのか、ということになるが、そこまでは言い切れないのではないか。

ただし、日蓮正宗大石寺で言う「唯授一人の血脈相承」なるものは、浄土真宗仏光寺派の「相承」を模倣したものである、という見解はかつて「アンチ日蓮正宗」に書いています。

□大石寺9世日有が浄土真宗仏光寺派から輸入した「唯授一人の血脈相承」

http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/10720663.html

http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/10721453.html