■湯之奥・猪之頭線1・室町時代、日有が往還に使った上人路・「湯之奥・猪之頭線」1

 

□大石寺9世日有が往還に使った上人路・「湯之奥・猪之頭線」の調査

 

□大石寺の『戒壇大本尊』は9世日有の偽作だ

http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_161878.html

□戒壇大本尊は9世日有の偽作だ001080

http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_628700.html

□戒壇大本尊は9世日有の偽作だ081150

http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_628705.html

□戒壇大本尊は9世日有の偽作だ151200

http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_628708.html

この湯之奥・猪之頭線というのは、静岡県富士宮市猪之頭地区と山梨県身延町湯之奥地区・下部温泉を結ぶ林道です。

なぜここに来たのかというと、日蓮正宗大石寺9世日有が、大石寺と大杉山・有明寺の往還、下部温泉の湯治のために、ここを歩いた「上人路」と言われるルートであったこと。

さらに、室町時代の中頃から江戸時代にかけて、今の静岡県と山梨県の県境付近で、湯之奥金山をはじめとする金鉱掘りが行われ、大石寺9世日有が「上人路」を往還する中で、湯之奥金山で金堀をしていた金山衆から、「金」の供養を受け取っていたこと。この「上人路」(しょうにんみち)の実地調査のためです。

室町時代の中期、大石寺9世日有が大石寺と湯之奥金山・下部温泉・有明寺を往還した「上人路」が、まさに今の湯之奥・猪之頭線であり、ここの実地調査のために来たわけです。

富士宮市猪之頭地区の数キロ南には、日蓮正宗大石寺があります。

この湯之奥・猪之頭線という林道は、富士宮市猪之頭地区から山林の中を通り、静岡県・山梨県の県境のトンネルを抜けて、山梨県側に出ると、ほどなくして、かつて室町時代・戦国時代は金山の町だった湯之奥地区に入る。さらに道路は、湯之奥地区から下部温泉に抜けるのですが、湯之奥地区から下部温泉への道路は、一般車も通れる県道になっていて、猪之頭地区から湯之奥までが林道になっているわけです。この山梨県と静岡県を隔てている山が毛無山。室町・戦国時代から江戸時代にかけて、湯之奥金山・富士麓金山などの、いくつかの金山があったところです。

静岡県富士宮市側から毛無山に登る登山道は、湯之奥・猪之頭線以外にもあります。

室町・戦国時代から江戸時代にかけて、毛無山には金山がいくつも採掘され、今の静岡県側から、たくさんの人たちが毛無山の金山に入って、金鉱を掘っていたことが、湯之奥金山博物館の研究発表や展示、出版物で述べられています。こういう登山道が今も残っているのは、金山が掘られていた時代からの、なごりなのかもしれません。

湯之奥線2


 





















私がなぜ山梨県身延町湯之奥地区と静岡県富士宮市猪之頭地区を結ぶ林道「湯之奥・猪之頭線」の調査を行ったのかと言えば、日蓮正宗大石寺の「戒壇の大本尊」なる板本尊を偽作した大石寺9世法主・日有の足どり調査。

なかんずく大石寺9世日有と湯之奥金山の金山衆(かなやましゅう)との接点。日有と下部温泉・湯治、日有と日蓮正宗有明寺を結ぶ、いわゆる日蓮正宗が「上人路」(しょうにんみち)と呼んでいるルートを、はっきりと自分で確かめるためです。

もっとも私としては、さまざまな文献調査や、山梨県下部温泉の湯之奥金山博物館での調査をしていた段階で、この富士宮と湯之奥・下部温泉を結んでいる湯之奥・猪之頭線が、日有と湯之奥金山、下部温泉湯治、有明寺を結びつける全ての接点に間違いないと踏んでいた。あとは実際にこの林道に来てみて、どんな道で、どんなルートなのかを、確かめてみたいと思っていた。

まずは、富士宮市側からこの林道に入っていきました。

室町時代の大石寺9世日有も、この大石寺から出発したわけですから、私も大石寺三門前からスタートしました。大石寺9世日有は、歩いて行ったか、輿に乗っていったのか、あるいは馬に乗って行ったのかしたのでしょうが、私は車に乗って行きました。大石寺三門前を走る国道469号線から県道75号線に入り、さらにそこから県道414号線へ。

途中、道が狭くなったり広くなったり、また狭くなったり。そうかと思うとまた広くなったり。かつてはこの道も農道だったのでしょう。広々とした富士山麓の平原を走り抜けていったかと思うと、鬱蒼とした雑木林の中を走り抜けていったり。大石寺から北へ向かって車を走らせて行くと、朝霧高原に出るのですが、まさに朝霧高原の脇を走っているという感じです。

車から右手を見ると、実に富士山が綺麗に見えます。

さて朝霧高原から猪之頭地区に入り、地図を頼りに林道の入り口を探したのですが、これがなかなか見つかりません。ナビは、湯之奥・猪之頭線が全くわからない様子で、猪之頭地区から山梨県の下部温泉に抜けるルートとして、本栖湖のほうを抜けていくルートを指していました。

地図によると、猪之頭農協の角に林道の入り口があるはずなのですが、これがなかなか見つかりません。「ここかな」と思って左折してみたのですが、車がやっと1台通れるような道に迷い込んでしまい、まるで農道が迷路のようになっています。

道がわからなくなったので、地元の家を訪ねて、山梨県の湯之奥地区に抜ける道を聞きました。

地元の人A「ああ、その林道はねえ、県道に出て、ここから道路二本むこうなんだなあ。もう1回、県道に出たほうがいいだろうなあ。林道を行ってトンネルを抜ければ山梨県には出られますよ」

「県道から林道に入る所に、何か目印はありませんか」

地元の人A「いやー、目印っていうのは、ないなあ」

この猪之頭地区で農業を営んでいる感じの中年男性に道を聞いたのでしたが、私の質問には親切に答えてくれました。

湯之奥線8