■熱海来宮神社1・「戒壇大本尊」偽作の楠木調査で訪問した熱海・来宮神社

 

大石寺の「戒壇の大本尊」の楠木の調査で、いろんなところに実地調査に行きましたが、その中で静岡県東伊豆地方の楠木調査に行ったときのことをここに紹介します。

静岡県東伊豆地方には、樹齢千年を超える大楠木がありますが、「鎌倉・江戸小氷期」といわれる時代においても、ここに楠木が自生していたと思われること。

そして身延山から最も近いところにある楠木自生地域だと考えられる。というわけで、ここに楠木調査に行っています。

来宮神社というのは、静岡県熱海市のJR伊東線・来宮駅から徒歩で78分くらいのところにある神社です。熱海駅からタクシーで行っても、ものの5分もかからないくらいで着いてしまいます。

来宮神社のすぐ前には、JR東海道線・伊東線が走っていて、さらに東海道新幹線の高架橋もあります。来宮神社の入り口は、東海道新幹線の高架橋の、すぐ真下ぐらいの所に位置しています。

創建時期は定かではないが、社伝によると和銅3年(710年)、熱海湾で網に木の根が掛かる事が3度重なり、不思議に思った漁師があらためると神像のようであったので、近くの松の下に祀って、持っていた麦こがしを供えたところ、その夜の夢に五十猛命が現れ、潮騒が耳障りであるとの神託があり、現在地に遷祀したといい、木の根を神体としたところから「木の宮」と称えたという。

坂上田村麻呂が戦勝を祈願し、当社の分霊を東北地方の各地に鎮座させたという伝承もある。

来宮神社には推定樹齢2000年以上と伝承され、国の天然記念物に指定されている大楠木が二本ある。もちろん、日蓮正宗大石寺の「戒壇の大本尊」なる板本尊が後世の偽作である証拠の一つが、楠であるわけで、国の特別天然記念物、天然記念物に指定されている楠の中では、この静岡県熱海市の来宮神社の大クスと、静岡県伊東市の葛見神社の大クスが静岡県にあり、これが最も身延山に近い。

日蓮正宗カルト法華講員たちと論争していると、全く関係ないものまで、ありとあらゆるものを大石寺の教義や本尊に、無理矢理にでも結びつけようとします。

「鎌倉時代の身延山には楠木がない」というと、「静岡県にある」などと言う。

「鎌倉時代から江戸時代にかけて、地球は『鎌倉・江戸小氷期』と呼ばれる寒冷期だったので、身延山には楠木がなかった」と言うと、「1本もないはずはない。いくら小氷期でも身延山に1本ぐらいは楠木があったはずだ」と言い張って、あるはずがない「たった1本の楠木」に無理矢理にでもしがみつこうとする。

この来宮神社の大楠木は、推定樹齢2000年ということだから、太平洋に面して比較的温暖な熱海・東伊豆地方にあって、「鎌倉江戸・小氷期」と呼ばれる寒冷期の時代もこの熱海で生きていたと思われるが、しかし楠木が静岡県にあると言っても、熱海や伊東にある大楠木を鎌倉時代に、日蓮が住んでいた身延山まで運んだ信者は一人もおらず、そんな記録も全く残っていない。

来宮大楠10


そもそも鎌倉時代の日蓮は、身延山中で極貧の生活をしていたのであり、日蓮一門に、静岡県熱海や伊東にある楠木を身延山まで運搬せしめる経済力も財力もなかった。したがって、日蓮正宗法華講員たちの妄説は完全崩壊しているのである。

そういう中で、来宮神社の大楠木の実態を調査しよう行ったわけです。行ったら行ったで、さまざまなことが新たにわかり、日蓮正宗大石寺の「本門戒壇の大御本尊」なる板本尊が後世の偽作である証拠・楠木に関して、また新たな偽作の証拠が出てきた、というわけです。

 

「特別天然記念物に指定されている楠木」

 

□加茂の大クス(徳島県東みよし町)

□立花山クスノキ原始林(福岡県糟屋郡新宮町・久山町)

□蒲生のクス(鹿児島県姶良郡蒲生町)

□塚崎のクス(鹿児島県肝属郡肝付町)

 

「天然記念物に指定されている楠木」

 

□神崎の大クス(千葉県香取郡神崎町)

□府馬の大クス(千葉県香取市)

□阿豆佐和気神社(来宮神社)の大クス(静岡県熱海市) 推定樹齢2000年以上、樹高約20m、幹周り約24m

□葛見神社の大クス(静岡県伊東市) - 樹齢1000

□杉桙別命神社の大クス(静岡県賀茂郡河津町)

□清田の大クス(愛知県蒲郡市) □薫蓋クス(大阪府門真市)

□川棚のクスの森(山口県下関市)

□新居浜一宮神社のクスノキ群(愛媛県新居浜市)

□大山祇神社のクスノキ群(愛媛県今治市)

□大谷のクス(高知県須崎市) □新舟小屋のクスノキ林(福岡県みやま市)

□太宰府神社のクス(福岡県太宰府市)---樹齢10002600年、根周り20m、目通り11m

□湯蓋の森(クス)衣掛の森(クス)(福岡県糟屋郡宇美町)

□本庄のクス(福岡県築上郡築上町)

□川古のクス(佐賀県武雄市) □藤崎台のクスノキ群(熊本県熊本市)

□柞原八幡宮のクス(大分県大分市) □瓜生野八幡のクスノキ群(宮崎県宮崎市)

□高鍋のクス(宮崎県児湯郡高鍋町) □妻のクス(宮崎県西都市)

□上穂北のクス(宮崎県西都市) □清武の大クス(宮崎県宮崎郡清武町)

□東郷のクス(宮城県日南市) □志布志の大クス(鹿児島県志布志市) - 樹齢1000