■中山法華経寺1(鬼子母神、日蓮真蹟の格蔵、大荒行で有名な中山法華経寺)

 

富木常忍(日常)開基・日蓮百日百座の説法・本化菩薩の初転法輪の霊跡の中山法華経寺

 

中山・法華経寺は、千葉県市川市中山二丁目にある日蓮宗七大本山の寺院で、正式な名前は正中山法華経寺。中山という地にあることから、通称・中山法華経寺と言われている。鎌倉時代の文応元年(1260年)創立とされている。開基檀那は富木常忍。日蓮・松葉ヶ谷法難の後、富木常忍邸に滞在して百日百座の説法を行ったことから、本化菩薩の初転法輪の霊跡という。

布教活動の中で幾度と無く迫害を受けた日蓮を、下総国千葉氏の家臣であった富木常忍と太田乗明は自分達の所領のある八幡荘に暖かく迎えた。富木は日蓮のために所領の若宮に寺を造営したが、法華寺と名付けられた。又、隣の中山の領主であった太田も自家の持仏堂を寄進し、これは本妙寺と名付けられた。天文14年(1545年)古河公方足利晴氏より「諸法華宗之頂上」という称号が贈られ、この時に法華寺・本妙寺を合わせた「法華経寺」という寺名が誕生。以後、両寺は事実上統合され、「法華経寺」という一つの寺院として認識されるようになっていった。

中山の鬼子母神として、古くから多くの参詣があり、立正安国論や観心本尊抄などの日蓮真蹟を多数所蔵する寺院として、あまりにも有名である。かつて中山法華経寺では、これらの国宝、重要文化財のものを含めた日蓮真筆は、113日、文化の日に年一度だけの「お風入れ」の儀が行われていたが、ここ数年、お風入れの儀は行われていない。まことに残念なことである。

境内地には、「中山大仏」と呼ばれる巨大な釈迦牟尼の仏像や富木常忍(日常)の像がある。フリー百科事典・Wikipediaによると、ここの本尊は祖師堂の日蓮像と鬼子母神堂の鬼子母神ということになっている。

 

富木常忍は千葉氏の文吏としても活動していたために日蓮に紙筆を提供し、その執筆を助けた。日蓮の遺文が同寺に多く遺されているのはその縁であると言われている。中山法華経寺では、百数十にものぼる日蓮真筆の遺文(御書)を格蔵していて、そのうち、重要文化財に指定されているものが61点。中でも観心本尊抄(日蓮真筆)と立正安国論(日蓮真筆)は国宝に指定されている。これらの日蓮真筆は、境内地の聖教殿と呼ばれる堂宇に格蔵されている

中山法華経寺は日蓮筆遺文 56巻を格蔵しているという。

ここに格蔵されている日蓮真筆の遺文の中には、日蓮正宗や創価学会の信者が「戒壇の大本尊」なる板本尊の文証として、金科玉条のように引っ張りだしてくるあの「聖人御難事」も含まれている。それにしても大石寺は、「聖人御難事」という日蓮の遺文が、日蓮の出世の本懐を説き表わすほど重大な遺文なら、どうして日興をはじめ歴代法主は、大石寺のもとに留めようとしなかったのか。「富士一跡門徒存知事」という文書によれば、日興は日蓮の重要な遺文を結集しようとし、それらの存在している場所を書き記しているが、この中に「聖人御難事」は入っていない。「聖人御難事」という遺文は、日興の眼中にはなかったのである。「聖人御難事」が中山法華経寺に格蔵されていること自体、大石寺の「戒壇の大本尊」なる板本尊とは、何の関係もないということを物語っているではないか。

中山法華経寺39聖教殿

中山法華経寺37聖教殿 





















 








□比叡山延暦寺・千日参篭、永平寺の修行と並ぶ厳しい修行の中山法華経寺・百日大荒行

 

2013年の初詣は、中山法華経寺に行ってきました。ここは以前に何度も来ていたところですが、中山法華経寺に参詣したのは、数年ぶりのこと。

ここはJR下総中山駅、京成中山駅から徒歩数分ぐらいのところにあるが、ここへのアクセスは電車が便利であるように思う。ただし下総中山駅は快速電車は停車せず、各駅停車のみ。となりの船橋駅は快速が停車する。下総中山駅は、各駅停車のみなので、新宿駅から乗ると、ちょっと時間がかかるのが、唯一の不便さか。

JR下総中山駅、京成中山駅から中山法華経寺まで、参道一本でつながっている。

私が中山法華経寺に参詣したのが、三連休の中日だったせいか、中山法華経寺の参詣者がとても多いのに驚きました。午前9時半ころに中山法華経寺に到着。山内をいろいろと散策した後、祖師堂に参拝。祖師堂で御開帳を受けようと申し込みを行ったところ、受付の僧侶云く

「今日は祖師堂で檀信徒さんの法事が二件入っているので、御開帳は午後1時半すぎになりますねえ。御開帳は鬼子母神堂でもやっているんですけどねえ」

とのこと。そういうわけで、祖師堂から本院、大客殿の方向に歩いて行く。中山法華経寺本院入り口横には、荒行堂入り口がある。本院前から荒行堂入り口前にかけて、大勢の参詣人が詰めかけている。これは、私が参詣した日が、荒行堂に入っている行僧への面会が許されている日ということで、寺族や檀信徒の人たちが、面会を待ちわびていた様子。

中山法華経寺では、日蓮宗大荒行が行われていることでも有名である。

「荒行」とは、ここでは百日の荒行を指しており、厳寒の中山法華経寺の百日間、過酷な修行が行われる。

仏教界で厳しい修行で有名なのは、比叡山延暦寺の千日回峰行(千日参篭)、中山法華経寺の百日大荒行や曹洞宗大本山永平寺の雲水の修行が有名。この他には、那智滝での千日滝籠行、熊本市・長寿寺で行われている毎年228日の大祭には、修験者が素足でおき火の上を渡る「火渡り」や、煮えたぎった釜の熱湯の中に座る「湯立て」の荒行等がある。

中山法華経寺27荒行堂