■福井・永平寺7(法堂ボヤ事件)

 

□火の気がない所からのボヤは不審火・放火の可能性が報道される法堂ボヤ事件

 

127日午後1240分ころ、曹洞宗大本山永平寺の法堂で木製の引き戸が焦げるボヤ事件が発生した。以下は、ボヤ事件を報道するインターネットニュースからの引用である。

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<永平寺>法堂でぼや 国宝などに被害なし

毎日新聞 127()2128分配信

27日午後0時40分ごろ、福井県永平寺町志比の曹洞宗大本山永平寺で、木製の引き戸が焦げるぼやがあった。寺には国宝や重要文化財などが複数保管されているが、被害はなかった。県警福井署は放火の疑いもあるとみて調べている。

同署によると、焦げたのは法要などが行われる法堂(はっとう)の引き戸。近くで新聞紙が燃えているのを観光客が見つけ、僧侶が付近に積もっていた雪や消火器で消した。法堂は寺の敷地の一番奥にあり、観光客の参拝ルートになっている。

(毎日新聞)

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修行僧が「雪」で消火…火の気はなく放火か?永平寺

テレビ朝日系(ANN 128()1630分配信

寺の境内で火の手が。あわやの事態に、修行僧が雪を使って火を消し止めました。

27日、福井県にある曹洞宗の大本山永平寺の法堂の引き戸の外側で、積んであった新聞紙が燃えているのを参拝客が見つけました。火は、修行僧が消火器と雪でまもなく消し止めましたが、引き戸の一部などを焼きました。警察は、何者かが新聞紙を持ち込んで火を付けたのではないかとみて、28日も実況見分をするなどして調べています。

(テレビ朝日系(ANN)

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永平寺でぼや、雲水らが雪で消し止める 不審火の可能性

朝日新聞デジタル 127()2241分配信

27日午後0時40分ごろ、福井県永平寺町志比の曹洞宗大本山永平寺で、法堂(はっとう)正面の引き戸付近に置かれている新聞紙が燃えているのを観光客が見つけ、寺に通報した。雲水ら数人が近くの雪をかけてまもなく消し止めた。引き戸がすすけたが、建物には延焼はせず、けが人はなかった。周囲に火の気はないため、福井署が不審火とみて捜査している。

(朝日新聞)

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以上は、インターネットニュースからの引用である。

私も永平寺は何度も拝観に行っており、法堂も拝観しています。法堂の引き戸の外側で、積んであった新聞紙が燃えていたなどというのは、明らかな不審火ですね。放火で全焼してしまった文化財といえば、京都北山・鹿苑寺金閣を思い出します。1950(昭和25)年7月2日未明、京都北山の金閣(鹿苑寺舎利殿)から火の手があがり、約30分ほどの間に全焼。足利義満像等々、国宝はすべて灰となってしまった。三島由紀夫の小説「金閣寺」のテーマにもなった。

1949(昭和24)1月には、国宝・奈良の法隆寺金堂で火災が発生し、壁画12面が焼失した。原因は漏電だった。この火災をきっかけに1950年、文化財保護法が制定。1954年に法隆寺金堂の修復が終了。現在の金堂壁面はほとんどが画家による模写である。しかし法隆寺そのものは現存する世界最古の木造建築物で、1993年に世界文化遺産として登録された。

火災の原因は、放火や不審火のみならず、漏電、ガス漏れ、オイル漏れ、金属火災、林野火災、タバコ火の不始末の火災、焚き火・火遊びの火災等々、さまざま。私が子どものころ、というか昭和の高度経済成長の時代には、漏電火災、ガス爆発火災、タバコ火の不始末の火災、焚き火・火遊びの火災といったものが多く発生していた。しかしガス器具については、今は安全装置が取り付けられていて、ガス火の付けっぱなし等では、自動的にガスが遮断され、ガス爆発事故というのは、ほとんど聞かれなくなった。高度経済成長の時代によくあった、タバコのポイ捨てによるタバコ火の不始末も、東京等では禁煙条例等で、ポイ捨てそのものが大幅に減り、タバコ火の不始末の火災もほとんど聞かれなくなった。タバコ火の不始末による山火事というのも、昭和の時代はよくありましたが、今はこれも聞かれなくなった。

科学技術や文明の進歩等によって、火災が減少していくというのは、まことに歓迎すべきことであるが、消防庁が発表している消防白書によれば、現代日本での火災原因のトップは、何と放火、ないしは放火の疑いがある不審火なのである。放火の量刑は殺人と同じで、殺人罪も現住建造物等放火罪も、ともに死刑又は無期懲役、若しくは5年以上の懲役。放火ないしは現住建造物等放火犯を、殺人犯と同様に重く罰するのは、木造の長屋が大半だった江戸時代からの流れを継いでいるものと言われている。今回の永平寺・ボヤ事件も不審火である可能性が非常に高いとの報道である。これが放火だとすれば、まさに、とんでもない話し。厳正な捜査をしていただきたいものです。

永平寺38法堂


永平寺40法堂


永平寺28 

(永平寺法堂)