■「京都国立博物館1(日蓮と法華の名宝展の見学)

 

2009年の日蓮・立正安国論奏進750年記念で京都で開催された「日蓮と法華の名宝展」

 

日本の国立博物館は、東京、京都、奈良、九州と四カ所あるのですが、このうちの京都国立博物館には、2009年の日蓮・立正安国論奏進750年「日蓮と法華の名宝展」が開催された時に行ってきました。ちょうど、私が日蓮本宗本山・要法寺末寺・實報寺の住職との単独会見と實報寺墓苑墓苑にある日目正墓等々の写真撮影を終えて、このまま京都国立博物館に足を運んだ。この京都国立博物館のある所は、京都・東山七条で、東山五条の鳥辺山・實報寺からは、そんなに遠くない所にある。この地は、近世までは方広寺の境内の一部だったところで、1870年から1876年までは恭明宮(明治の神仏分離後、それまで御所の御黒戸に安置されていた仏像や歴代天皇の位牌を安置していた施設)があった所。方広寺・豊国神社とは、となりあわせになっている。

日蓮に関する展示は、今までも何度か博物館で開催されてきており、私も見学に行っていますが、京都で行われた展示に見学に行ったのは、この時がはじめて。20031月~2月にかけて東京国立博物館で、日蓮・立教開宗750年記念「大日蓮展」があり、私も見学に行っている。この時の展示で印象に残っているのは、日蓮真筆の観心本尊抄、立正安国論、臨滅度時の本尊等でした。こういう企画展で、なにが印象に残るかというと、こういう日蓮真筆の展示である。有名な画家の誰それが描いた画とか壺が出展されていましたが、そういうのよりも、日蓮真筆の大漫荼羅であり、日蓮真筆の遺文(御書)です。ただし、日蓮真筆の観心本尊抄、立正安国論については、千葉県小湊の誕生寺で、日蓮真筆のレプリカが拝観できますけどね。

さて「大日蓮展」の主催者のひとつに、日蓮聖人門下連合会というのがありましたが、京都国立博物館の「日蓮と法華の名宝展」の主催者に、日蓮聖人門下連合会が名前を連ねていました。これに加入しているのは、日蓮宗、顕本法華宗、日蓮本宗、法華宗陣門流、法華宗真門流、法華宗本門流、本門法華宗、本門仏立宗、日本山妙法寺、国柱会、京都日蓮聖人門下連合会の11団体。これは、1960年(昭和35年)、国柱会が日蓮門下の連携を目指して主催、発足させたもので、各法華宗と多くの共同事業に携わっています。

主なものでは日蓮聖人降誕750年慶讃「聖伝劇日蓮」明治座公演(昭和46年)。

《日蓮聖人700遠忌記念事業》として 日蓮聖人劇・日蓮聖人展(昭和56年)。

1988年(昭和62年)、比叡山開創1200年記念法要、2003年(平成15年)、立教開宗750年記念事業「大日蓮展」、2009年(平成21年)、立正安国論奏進750年記念事業「日蓮と法華の名宝展」等があります。この日蓮聖人門下連合会には、富士門流の日蓮本宗(要法寺)が加入しているのが、目を引きます。現在、京都国立博物館では、平常展示館の解体と、平常展示機能を持つ百年記念館の建設工事が進捗中で、南門ミュージアムショップは完成していました。これによって、「日蓮と法華の名宝展」は、レンガ造りの特別展示館(旧・本館)で行われていました。

 

 

□「日蓮と法華の名宝展」に出品・展示されていた日蓮真筆曼荼羅本尊・日蓮真筆遺文の数々

 

「日蓮と法華の名宝展」が行われた京都国立博物館の旧本館は、1892年(明治25年)に着工し、3年後の1895年(明治28年)に竣工した建物と言うことで、100年以上の歴史がある、なかなかレトロな建物。私が「日蓮と法華の名宝展」に見学に行って、まず注目したのは、何と言っても日蓮真筆の大漫荼羅本尊です。ここに出展された日蓮真筆本尊は、合計で7体。当然のことながら、いずれもが立正安国会「御本尊集」に載っている本尊です。

立正安国会「御本尊集」で、123体が確認されている(----この他にも日蓮真筆と鑑定された曼荼羅本尊がある----)日蓮真筆本尊の中の7体だから、割合としては多くないかもしれませんが、しかし7体もの日蓮真筆本尊が出展された日蓮の企画展というのは、おそらくはじめてではないでしょうか。出展された日蓮真筆本尊は

1 弘安元年七月五日の本尊(立正安国会・御本尊集51) 京都・本国寺格蔵

2 弘安元年十月十九日の本尊(立正安国会・御本尊集56) 京都・本国寺格蔵

3 建治元年十一月の本尊(立正安国会・御本尊集27) 京都・妙顕寺格蔵

4 建治二年八月十三日の本尊(立正安国会・御本尊集38) 京都・本満寺格蔵

5 弘安三年十一月の本尊(日昭授与本尊) (立正安国会・御本尊集101) 静岡・妙法華寺格蔵

6 文永十一年五月十七日の本尊(天目授与本尊) (立正安国会・御本尊集11)京都・妙満寺格蔵

7 建治元年十二月の本尊(経一丸授与本尊) (立正安国会・御本尊集28)京都・妙顕寺格蔵

 

いずれも日蓮聖人門下連合会に加盟している宗派の寺院に格蔵されている本尊です。

さらに日蓮真筆の遺文(御書)としては、「立正安国論」「神国王御書」「盂蘭盆御書」「一代五時図」「大尼御前御書」が出展されていました。日蓮真筆の「立正安国論」は、2003年に東京国立博物館で行われた「大日蓮展」でも出展されていますし、千葉県小湊の日蓮宗寺院・誕生寺の宝物館で、レプリカの拝観ができます。したがって、これは、日蓮の企画展の定番とも言えるものです。

私が、日蓮遺文(御書)関係で注目したのは、京都・妙顕寺に格蔵されているとされる「神国王御書」です。これは、私はこのとき、はじめて見学できました。とくにこの「神国王御書」という遺文(御書)は、大石寺の「戒壇の大本尊」なる板本尊が、後世の偽作である証拠と直接関連する遺文(御書)であることから、このとき、拝観できたことは、私にとって大きな収穫でありました。その他、日蓮画像、日蓮坐像をはじめ203点が出展されていました。日蓮画像や日蓮坐像は、日蓮が生きていたときに造られた物ではなく、後世に造られた物です。よって注目度としては、いささか落ちますね。

日蓮と法華の名宝展1


 












































(「日蓮と法華の名宝展」ポスター)


京都国立博物館2 






















(京都国立博物館)