■日光山輪王寺・東照宮1(乗り換えなしの直通・外国人観光客)

 

1990年に世界文化遺産に登録されて外国人観光客が大幅に増えた日光山輪王寺・東照宮

 

日光山とは、輪王寺、東照宮、大猷院、二荒山神社等、日本で十番目に世界遺産に登録された21寺、国宝9棟、重要文化財94棟を含む建造物一帯をさす。21寺とは輪王寺、東照宮、二荒山神社で、現在は21寺で別々になっているが、明治維新以前は「神仏習合」で「日光山」として一体であった。今の堂宇が大規模整備された江戸時代、「神仏習合」の地であったため、今でも21寺のはっきりとした境界線はなく、輪王寺所管の堂宇は山内一円に散在している。

日光山の創建は766(天平神護2)年までさかのぼり、勝道上人が輪王寺の前身である四本龍寺を建立したのが、はじまり。勝道上人は二荒山神社本宮を建立。平安時代に二荒山と改称。朝廷から一山の名前として満願寺の名を授かる。後に円仁の来山で天台宗になる。鎌倉時代に天皇家から門跡を招く皇族座主の制度がはじまった。かくして日光山は神仏習合の一大霊地になった。

江戸時代、徳川家康、秀忠、家光の三代将軍に仕えた天海大僧正が座主になり、日光東照宮を造営した。1617(元和3)年、徳川幕府2代将軍秀忠が、家康の遺言により、徳川家康・「東照大権現」を祭神として創建したもの。そして家康を深く尊敬していた徳川3代将軍家光が、莫大な費用と時間をかけて大改築を行った。いわゆる「寛永の大造営」で、現在の豪華絢爛な日光東照宮が生まれた。江戸時代には、皇族法親王の輪王寺宮が天台座主として、比叡山延暦寺、東叡山寛永寺、日光山の貫首を兼任。天台宗三山になる。

東照宮の建物には、驚くほどの細密な彫刻、漆、金箔が使われ、まさに豪華絢爛そのもの。権力者が漆、金箔を貼りめぐらせた建造物としては、日光東照宮の他、平泉中尊寺金色堂、宇治平等院鳳凰堂といったものがある。いずれも権力者が威信をかけて造営したものだから、いずれも豪華絢爛な建造物である。神仏習合だったためか、神社建築と寺院建築が混在したような建物になっていて、漆、金箔を貼りめぐらせた堂宇はすごいの一言ですが、数百年の歳月が経過しているせいか、漆、金箔が色あせてしまって見える。

明治維新の神仏分離令によって、一時、名前が満願寺になったが、1883(明治16)年に寺号復活が許されて輪王寺になる。慈眼堂の境内の一角には歴代法親王の墓所がある。

私は今まで何度か日光東照宮・輪王寺に行っているのですが、いずれも東武特急で行っている。東武特急も昔と比べて、ずいぶん様変わりしたと思う。東武日光線が東武スカイツリーラインと改名。すつては東武線内だけを走っていた東武特急スペーシアの一部が東武日光~JR新宿を走行。新宿~栗橋はJR線内を走る。かくして昔の通り東武線内だけを走る東武特急とJR線・東武線を走る東武特急の二本立てになっている。

 

 

かつて東京都心から日光に行くアクセスは、JR日光線と東武日光線の二つがあり、このふたつが競争していた。日光山参拝の輸送で、かつては国鉄・JRも東北線、日光線に特急を走らせていた時代があった。ところがJRと東武の競争は、東武に軍配が上がり、JR日光線の特急は廃止。浅草~東武日光をむすぶ東武特急が日光山参詣の主流になった。ところがその後、JRJR新宿~東武日光をむすぶJR東北線から東武日光線に乗り入れる特急を設定。これがJR2本、東武側2本の相互乗り入れという形で、JRの日光行き特急が復活した。JR東北線・JR日光線のルートだと、宇都宮経由になり、しかも宇都宮でスイッチバックしなければならなくなる。距離的にも遠くなって、JR側は著しく不利である。一方、東武特急は浅草始発であるため、新宿、池袋からのアクセスが不便。これがJRと東武の相互乗り入れで、お互いの弱点を補い合う形になった。日光市内ではJR日光駅と東武日光駅はほぼ並んでいるが、東武線に乗り入れているJR特急は、東武日光駅から発着するという、面白い光景が見られる。

ただし今日、浅草始発の東武特急の大半は、鬼怒川行きになってしまい、東武日光直通の特急の本数は大きく削減されてしまった。浅草から特急で日光に行くには、鬼怒川行きに乗ってしまうと下今市で乗り換えなくてはならない。なぜこうなったんでしょうかねえ。JRと東武の相互乗り入れで浅草発・東武日光行きの特急乗車率が低下したのだろうか。この東武特急スペーシアは、なかなか乗り心地がいい電車でいいのだが、浅草から下今市まで約1時間40分もかかる。これはちょっと時間かかりすぎのような気がする。だから特急を使っても浅草から東武日光まで約2時間かかる。ところが所要時間はJR線直通の東武日光~新宿も同じで、こちらも約2時間かかる。

しかし浅草~東武日光は乗車券・特急券で2320円。JR線直通の東武日光~新宿だと乗車券・特急券で3900円。東武線内だけを走る特急のほうが割安である。

さて日光山輪王寺・日光東照宮一帯のいわゆる「日光の社寺」は、1999年、世界遺産に登録されている。京都、奈良等もそうなのだが、世界遺産に登録されると外国人観光客が増えるという現象があるようで、これは日光も同じ。かつては中国人、韓国人観光客を多く見かけたが、今は中韓の他に、欧米人、東南アジア人、インド人から中東人らしき人たちの顔ぶれが見られる。東武日光駅前から日光山巡回バスに乗ると、バスの中に欧米人の観光客が何人も乗っている。手には「JAPAN」と書かれた英語の日本観光ガイドブックを持っている。日光山もこれに載っているのでしょうね。日光山の境内に入っても外国人観光客を数多く見かける。輪王寺の受付で拝観券を買ったときも、窓口には数人の外国人観光客がいた。受付の女性と何事か話していたが、受付女性は、外国人観光客の問い合わせに難なく英語で答えている。複雑な会話になると、なんとあらかじめ用意された英文のボードを見せて、外国人観光客に説明している。実に手慣れているのに、少々驚いた。これだけ受付の女性が、外国人観光客の応対に手慣れているのは、ここにかなりの数の外国人観光客が来ているということなのだろう。

東照宮2



















 

(日光東照宮)


三仏堂2 




















(日光山輪王寺)