■富士山本門寺(西山本門寺)20(これでいいのか西山)

 

西山本門寺訪問の最後の最後になって、「般若の面」の形相の、とんでもない貫首代務者に遭遇してしまったわけでしたが、しかし、訪問したことで、西山本門寺の実態がようやく明らかになりました。

そこで、西山本門寺の現状をまとめてみたいと思います。

 

    西山本門寺51代貫首・村田日敬氏は、かなりの高齢の僧で、西山本門寺には住んでおらず、出身寺の伊豆・光栄寺に下っていて、すでに老人ホームに入居している。

    客殿・庫裡には、普段は誰もおらず、無住状態で、全て内側からカギがかけられている。

    本山・西山本門寺は実質的に無住で、塔頭・浄円坊住職が貫首代務者として、行事を取り仕切り、電話・郵便等も全て浄円坊に転送される。

    本山・西山本門寺の修行僧は一人もおらず、檀家も一軒もない

    西山本門寺の什宝類・重要文化財等は、ここにはなく、富士宮市の博物館に収蔵されていて、お風入れ法要の時のみ、西山本門寺に帰ってくる。

    西山本門寺境内の清掃は、セコム等の警備会社が行っている。

    西山本門寺の年中行事として行っているのは、418日のお風入れ(霊宝虫払い)法要と、1123日の御会式だけ。しかし御会式も、客殿にて浄円坊住職が読経するのみ。

    1115?の織田信長・首塚の祭りのときは、近隣からたくさんの人が来て、賑わっている。

    塔頭は浄円坊、大詮坊、妙円坊の三坊あるが、住職がいるのは浄円坊、大詮坊のみで、妙円坊は、いるのかいないのか、よくわからない状態。

 

こういう状態では、実質的に、西山本門寺は死に絶えているといっても過言ではないと思います。

いずれ、今の塔頭坊住職も死に絶えるときが来ると思いますが、修行僧もいない状態では、この先、どうするのでしょうね。

 

西山本門寺は、国の重要文化財に指定されている古文書等も多数有り、こんな状態では、重要文化財の保管も心配になってしまう状態です。

「富士宮市の博物館に入っているのだから、それでいいのだ」という問題ではないと思います。

西山本門寺34遷化記録

 

私も、ネットでいろいろ調べていたら、「日蓮宗に合同するしかないのでは」という意見も見られました。

西山本門寺も旧・本門宗から日蓮宗に合同して、西山本門寺の旧末寺の中にも、今でも日蓮宗に残留している寺院が数ヶ寺あります。富士門流でも、北山本門寺、小泉久遠寺、伊豆実成寺は、今も日蓮宗です。

日蓮宗の他門流の僧が北山本門寺貫首に晋山した例がありますし、今の北山本門寺・旭日重貫首は、以前、小泉久遠寺の貫首でした。

西山本門寺も、ここまで荒廃してしまったら、日蓮宗内の人的交流で打開するしかないのかもしれませんねえ。

西山本門寺が、本当にそうするのかどうかは別としても、しかし今の状態は、「これでいいのか、西山本門寺よ」と言いたくなるような状態であることは、事実です。

 

西山本門寺15客殿裏