■真宗木辺派・錦織寺1(真宗木辺派の規模・立て札)

 

□浄土真宗の中では東西本願寺派、高田派、仏光寺派、興正派に次ぐ規模の真宗木辺派

 

真宗木辺派・錦織寺とは、浄土真宗木辺派の本山で、滋賀県野洲市木部826にある。派号は「木辺派」と書くが、住所地は「木部」と書く。正式名は遍照山天神護法院錦織寺。錦織寺は「きんしょくじ」(kinshokuji)と読む。「にしきおりじ」ではない。

真宗木辺派とは真宗教団連合をつくる浄土真宗十派のひとつ。浄土真宗には、十派以外にもさまざまな分派があり、全ての宗派が真宗教団連合に加入しているわけではない。

2013年度版・宗教年鑑で信徒数を調べてみると、浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)が約780万人、真宗大谷派(本山・真宗本廟・東本願寺)が約323万人、真宗高田派(本山・高田専修寺)が約223000人。真宗仏光寺派は約48000人。真宗木辺派(本山・錦織寺)が約46000人。真宗興正派(本山・興正寺)が約35000人。真宗出雲路派が約11000人。真宗誠照寺派が約13000人。真宗三門徒派が約14000人。真宗山元派が約1600人。親鸞頂骨を格蔵していると伝承する新潟県高田市浄興寺を本山とする真宗・浄興寺派が約17000人である。

門徒(信徒)数で言うと、東西本願寺派、高田派、仏光寺派に次ぐ数になっている。

寺院・教会・布教所数で見ると、浄土真宗本願寺派が10369、真宗大谷派が8743、真宗高田派が643、真宗興正派が514、真宗仏光寺派は377、真宗木辺派が215、真宗出雲路派が60、真宗誠照寺派が71、真宗三門徒派が40、真宗山元派が21、真宗浄興寺派が14である。

教師(僧侶)数で見ると、浄土真宗本願寺派が19465、真宗大谷派が17439、真宗高田派が961、真宗興正派が756、真宗仏光寺派は524、真宗木辺派が254、真宗出雲路派が86、真宗誠照寺派が55、真宗三門徒派が59、真宗山元派が38、真宗浄興寺派が16である。浄土真宗は西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派が最大で、これとほぼ匹敵する規模なのが真宗本廟・東本願寺を本山とする真宗大谷派で、この二つが極端に規模が大きい。

これにつづくのが、真宗高田派、真宗興正派、真宗仏光寺派、真宗木辺派の4派で、この4派は

門徒数、寺院・教会・布教所数、教師(僧侶)数ともに、似たり寄ったりぐらいの規模である。浄土真宗十本山の中で4本山(東西本願寺、仏光寺、興正寺)が京都市にあり、4本山が福井県。あとは滋賀県(錦織寺)と三重県(高田専修寺)で、西日本、近畿地方に集中しているのが特徴である。

仏教寺院とは一般的に△△山○○寺という名前の如く、山の中にあるというイメージが強い。仏教各宗派の総本山、大本山、本山寺院を見ても、東京、関東近県や京都、大阪、名古屋等にある寺院は別としても、身延山久遠寺、比叡山延暦寺、高野山金剛峯寺、福井・永平寺、能登・総持寺祖院、倶利伽羅不動寺、長野・善光寺、日光山輪王寺、千光山清澄寺等、山の中にあるケースが多い。ところが錦織寺がある所は、琵琶湖のほとり、近江平野の真ん中。錦織寺とその周辺の民家・伽藍のまわりは、水田が広がっている。昔懐かしい景観に巡り会える。

 

 

□毘沙門天堂、阿弥陀堂、御影堂などの堂宇に説明文が書いた立て札が立っている錦織寺境内

 

最寄り駅は、JR東海道線の駅になるのだが、錦織寺は最寄り駅からかなり離れた所にある。川崎大師、西新井大師、出雲大社、伊勢神宮、日光山、比叡山、高野山等に見られる参詣者利用をあてこんだ電車もない。私がここに行った時は、2011年ころ、北陸の実家から自家用車に乗って、北陸道、名神高速をかっ飛ばして行きました。錦織寺に、電車、バスを利用して行くのは、むずかしいのではないだろうか。

錦織寺の境内に入っていくと、さまざまな説明文の立て札が立っているのに、ちょっと驚く。境内の中には、錦織寺の歴史を書いた長大な立て札があり、毘沙門天堂、阿弥陀堂、御影堂、講堂、宗務庁などの堂宇にも、ひとつひとつ説明文が書いた立て札が立っていて、ここがどういう堂宇であるかが、一目わかるようになっている。中には、説明文だけでなく、絵を描いた立て札まで、所々に立てられている。これは、参詣する人にとっては、実にわかりやすいですねえ。布教熱心なのか、それとも参拝人に対して親切なのか、ここまで境内の中に、懇切丁寧な立て札が立てられている寺院は、日本の仏教寺院の中でも、珍しいのではないかと思う。私も、いままでかなりあちらこちらの仏教寺院を訪ね歩きましたが、こういう寺院は、あまり見かけませんでしたねえ。

さらに御影堂と阿弥陀堂の間には、宗祖「親鸞聖人像」が建てられていて、錦織寺参拝記念の記念撮影ができるようなセッティングもなされている。かなり団体参拝の人が来ているということだろうか。日本全国各地の観光地に行けば、いろいろな説明文が書いた立て札や案内板を立てた所はけっこうあることはある。仏教寺院でも、福井・永平寺、鎌倉・建長寺、円覚寺、京都・建仁寺、南禅寺、大徳寺、天龍寺、日蓮宗の玉沢・妙法華寺、片瀬・龍口寺等々の寺院で、説明文が書いた立て札や案内板を見ている。こういった立て札や案内板は、ないよりかは、あったほうがいいと思います。参拝人を重んじている、ひとつの姿勢の現れではないかと思う。ただし、境内に立て札や案内板がないからといって、参拝人を軽んじていると言う気は全くない。

錦織寺2




















 

(錦織寺表門)


錦織寺3





















 

(表門案内板)


錦織寺4




















 

(浄土真宗十派案内板)


錦織寺5




















 

(錦織寺年表・案内板)


錦織寺17 



















錦織寺18





















錦織寺19






















(天安堂・毘沙門天堂・案内板)


錦織寺13





















錦織寺37 




















(宗祖「親鸞聖人像」と団体参拝セッティング)