日蓮本宗本山・要法寺5(1994年の要法寺初訪問)

 

東京から京都まで、東名高速・名神高速を車で行くと約500キロ近くある。途中、休憩・食事をはさんだとして、時間にして約6時間半くらいだろうか。

早朝7時に車で出たとしても、京都に着くのは13時すぎになる。

私は東名高速を車でかっ飛ばして京都へ行くというのは、1993年の全国旅行で一度経験済み。

その時は、朝、東京を出て、途中、浜名湖、関ヶ原に寄り道をして、京都に行ったため、京都に着いたのは夕方を過ぎていました。

 

まあ、京都までは車で行けることは行けるが、問題は要法寺の朝6時の勤行である。これはいくら何でも時間が早すぎます。東京近郊だったら、早朝6時でも、なんとか行けないこともない。

しかし、東京から車をかっ飛ばして要法寺の早朝6時の勤行に滑り込むというのは、なかなか至難の業です。東京から京都へ行く道中に於いて、事故渋滞や工事渋滞にはまり込んでしまったら、たちまち間に合わなくなる。前夜、京都市内のホテルに泊まったとしても、要法寺の朝6時の勤行に駆け込むというのも、かなりむずかしい。

そもそも、それまで私は要法寺に行ったことがなく、場所すらも知らなかったため、要法寺の場所を把握しておく必要がありました。

 

それで私は、車で京都に着いた後、要法寺に直行して、場所等を掌握し、その日の夜は、ホテルに泊まらず、車の中で仮眠、というか野宿することにしました。

京都にたどり着いた私は、早速、要法寺に行って、下見をしてみました。この時が、要法寺の初訪問でありました。

要法寺は、京都の東山三条にあるのですが、JTBガイドブック等では、さも大通りに面しているように書いてあるが、実際には、大通りには面しておらず、少し引っ込んだところにある。駐車場が境内と隣接したところにあり、そこに車を停めて、要法寺境内を見学。

本堂、開山堂、庫裡、塔頭、寺務所等々が並んでおり、寺域としてはそんなに狭くはないのだが、しかし大石寺、東大寺、比叡山延暦寺、身延山久遠寺…といった大寺院ほど広くはない。

資料によると、要法寺の境内の面積は1.35haとなっています。大石寺が70haですから、51分の1。法隆寺の18.7haと比べても13分の1になります。

境内を一見して、信者を集めて法要・行事を行う堂宇としては、本堂と開山堂のみのように思える。寺務所が庫裡(大坊)と、くっついて建っていたので、中に入って僧侶の話を聞こうと思ったのですが、だれもいない。寺務所の受付には、特に何かの資料があるわけでもなく、中はガラーンとしていました。

要法寺10寺務所


今から16年前の1995年といえば、私も今以上に血気盛んでありましたので、

「ここまで来て誰も居ないというのでは納得できない」

と思いまして、受付の窓越しに「すいませーん」と大声で何度も呼んでみた。

すると「゜何事か?」とばかりに、奥の方から要法寺の半被を着た初老の男性が現れた。

私は、この男性に要法寺のことについて、いろいろと質問してみたが、ありきたりの答えしか返ってこず、少々がっくり。その男性の話しによれば

「僧侶の多くは、今はではからっていて不在」「今年は日尊上人650遠忌の年に当たっているので、いろいろと忙しい」

とのことでした。

その初老の男性は、私に「あなたは、何か信仰をしていらっしゃるのですか」と京都弁で尋ねてきたが、私が「いえ、特に何も信仰していません」と答えたので、「あー、そーですかー。それじゃあ、何もわからんでしょう」とばかりに、再び奥の方に引っ込んでいってしまった。

「しょーがないなー。じゃあ、明日の朝の勤行に来てみるしかないな」と思い、一旦は要法寺を引き上げたわけです。