■長野善光寺7(2015年初詣3)
□舞い上がる護摩の炎、迫力ある僧侶の叩く太鼓の音、迫力満点の善光寺本坊大勧進護摩祈祷
長野・善光寺本堂に参拝した時は、必ず「お戒壇めぐり」をすることにしており、今回も、あの真っ暗な回廊の階段を降りていった。この「お戒壇めぐり」とは、本堂内々陣に蔵されている瑠璃壇(須弥壇)下に設けられている真っ暗な回廊を通り、極楽の錠前を探り当てて、善光寺如来と結縁するというもの。最初にこの「お戒壇めぐり」の真っ暗闇の回廊を手探りで歩いて行ったときは、何が何やら、さっぱりわからない。どこが極楽の錠前なのかもわからない。真っ暗な回廊を手探りで歩くだけで、せいいっぱいだった。ところが何度も善光寺本堂に参詣し、「お戒壇めぐり」をするうちに、だんだんと要領がよくなってきた。最初のころは、私は自分の肩や胸の高さのあたりを手探りしながら歩いていた。だが、これだと極楽の錠前を探り当てることはできない。そうではなく、腰の高さぐらいの所を手探りして歩いて行くと、極楽の錠前を探り当てることができる。「お戒壇めぐり」の入り口前には、昭和13年(1938)6月、タイ国王室より寄贈された仏舎利(釈迦如来の遺骨)と釈迦如来像が祀られているお厨子がある。ただしこの時は、釈迦如来像は「修復中」ということで、厨子の中にはなかった。
さて2015年も、新年護摩祈祷をしてもらおうと、善光寺本堂の参拝ののち、大坊大勧進に参拝。善光寺は、天台宗と浄土宗の共同運営される無宗派の寺院。天台宗側の本坊が大勧進である。大勧進護摩堂前にはテントが張られていて、護摩祈祷の受付をしている。申し込みをする人でテントの中は大混雑。護摩祈祷も12時、13時、14時、15時と、1時間毎に行われている。今年も3000円で護摩祈祷を申し込み、ギリギリで12時の護摩祈祷に間に合った。護摩堂の中に入ってみると、参詣者は堂内の3分の2ぐらい座っている。12時に合わせて大勧進貫主が出仕。護摩が焚かれて約30分ぐらいの間、護摩祈祷が行われた。僧侶の読経の声、導師の祈祷、護摩の炎、僧侶が叩く太鼓の音…いかにも祈祷をしているという感じである。2014年の初詣護摩祈祷の時は、ものすごい火柱と火の粉が舞い上がり、火災報知器のベルが鳴ってしまうというハプニングがあった。が、2015年はそういうハプニングはなし。しかし堂内で拝観していると、護摩祈祷というのは、なかなか迫力がある。私個人的には、この善光寺大勧進の護摩祈祷が好きなのです。
祈祷中に、願主の名前と祈祷内容を僧侶が読み上げるのだが、参詣者が多く、これだけでかなり長い時間がかかった。護摩祈祷後、参詣者が護摩祈祷の煙を手で煽り、不動明王像前で参拝した後、別室でお札を受け取る。不動明王像前に賽銭入れが3つあったが、どれも百円玉や十円玉で山盛りになっている。中には、千円札が数枚入っているのが見えた。
(善光寺本坊大勧進)
□気温がマイナス6度まで下がり道路の雪が完全凍結していた2015年1月2日の長野市
2015年は、大勧進宝物館を見学しようと、大勧進事務局で入場券を買って見学。特に目立って注目すべきものは見あたらなかったが、ただ1点、江戸時代に善光寺本堂を再建した善光寺別当大勧進73世住職・慶運大僧正の一生がわかる一覧表があった。これによれば、慶運大僧正は、善光寺本堂再建のために、全国各地を行脚し、出開帳を行って勧募したという。この時に出開帳したのは、善光寺・出開帳仏か。出開帳仏は、2013年5月の東京・両国の回向院での善光寺出開帳で拝観している。大勧進宝物館は、事務局入り口から、かなり長い廊下を歩いて行った先にある。場所的には、護摩堂の裏手に大勧進ご内仏が祀られているご内仏殿があり、さらにその裏手に宝物館がある。ご内仏とは、貫主が日々にお勤めをする仏像のことである。
そのあとは、善光寺本坊大本願へ参拝。大勧進は天台宗だが、大本願は浄土宗である。善光寺に参詣したときは、いつも御朱印をいただいているのだが、2015年の初詣では、善光寺本堂、大勧進、大本願の3ヶ所で、御朱印をいただいた。
(2015年元日の善光寺初詣の時の御朱印)
善光寺からの帰途は、また参道を歩いて下った。善光寺参道は、善光寺に行く人と、善光寺から帰る人で、ごった返している。参道の両側にある甘味処、そば店、等々はどこも満席。長野は、そばが有名なためか、参道もそば店が多い。逆に、うどん店、ラーメン店、定食屋といった類の店をほとんど見かけない。歩いている途中、疲れ果てて、一休みしようと甘味処に入り、お汁粉を注文。中に、小さな餅が入っていて、正月の餅を、思わぬところで、食べることができた。「昼食は、やはり、そばしかないかな」と思い、そば店を探したが、どこも混雑している。ようやく席が空いている、手打ちそば店を見つけて、信州そばを食べたのだが、これがあまり、美味しくない。量が少ない、インパクトが弱い、コシがない、しかし長野の人に言わせると、これは、そば粉だけで造った「十割そば」なのだという。私としては、信州そばよりも、山形県のそばのほうが、口に合いますね。信州そばを食べながら、山形そばを食べたくなってしまった。
2015年元旦は、久しぶりに、ゆっくり過ごすことができ、初詣もすることができた。1月1日は、マイナス1度ぐらいで、なんとかしのげる寒さだったが、1月2日の長野は、マイナス6度。さすがにこの寒さは、こたえた。東京から持ってきた下着を出し、シャツ2枚重ねに着て、ズボン下もはいた。ホテルの窓から見える、遠くの山間部は、雪化粧をしており、長野市内の道路に積もっていた少量の雪は、完全に凍結してしまっていた。さすがにマイナス6度むというのは、こたえる。2013年2月に福井県にある曹洞宗大本山永平寺に参詣した時、永平寺はマイナス6度。あの時も、積もっている雪がカチンカチンに凍結していたことを思い出した。
帰りの新幹線は、あらかじめ乗車券・特急券を予約して買い求めていたが、混雑状況を見ようと、長野駅「みどりの窓口」の電光板に目をやると、全て×印で満席。長野を発車して、上田、佐久平、軽井沢と、とんどん乗客が乗ってきて、高崎で満席になった。
(善光寺参道)
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