□日蓮宗のトップは管長だが日蓮宗の代表役員・宗務行政上のトップは管長ではなく宗務総長

 

日蓮宗第53代内野日総管長(身延山久遠寺法主)が任期満了で退任になり、管長推戴委員会(生駒雅幸委員長)の満場一致で、日蓮宗第54代管長に日蓮宗大本山池上本門寺・菅野日彰貫首が決定。58日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で、菅野日彰池上本門寺貫首の大僧正叙任式が営まれた。つづいて59日、同じく日蓮宗宗務院にて管長就任奉告式が行われ、中川法政宗務総長が菅野日彰管長に管長印璽が手渡され、はじめて菅野日彰管長が、管長としてはじめて法要の導師を勤めた。

さらにつづいて、日蓮宗総本山身延山久遠寺の日蓮廟所にて管長就任奉告式が行われた。さらにつづいて身延山久遠寺の内野日総法主と面談した。菅野日彰管長の任期は4年で、管長任期中に、日蓮宗は「日蓮降誕八百年」を迎えることになり、「日蓮降誕八百年慶讃法要」は菅野日彰管長の導師のもとで営まれることになる。

菅野日彰管長は、昭和12(1937)年生まれの現在81才。前任管長の内野日総身延山久遠寺法主は、大正15(1926)年生まれの現在92才。内野日総法主が日蓮宗管長に就任した時は、88才だった。したがって、日蓮宗管長は、今回の菅野日彰管長の就任によって、かなり若返ったことになる。菅野日彰管長は、昭和26(1951)年に北海道小樽市妙龍寺の伊藤啓昭上人の許で、14才で出家得度。昭和32(1957)年に東京都永寿院で修行。その後、立正大学を卒業。池上本門寺布教部にて勤務。昭和48(1973)年に日蓮宗宗立・谷中学寮の寮監。昭和58(1983)年から東京都浄延寺住職、平成17(2005)年から静岡県本山海長寺貫首、身延山久遠寺布教部長を歴任。

平成27(2015)年に日蓮宗大本山池上本門寺貫首として晋山した。

北海道小樽市妙龍寺とは、昭和30(1955)311日の小樽公会堂での日蓮宗vs創価学会の「小樽問答」の元になった創価学会小樽班と論争をした寺院。菅野日彰管長の若かりしころは、創価学会が「折伏大進撃」で、日蓮宗に折伏攻撃を仕掛けていた時代に重なる。

さて日蓮宗のトップは管長であるが、日蓮宗の代表役員は、管長ではなく宗務総長が務める。

日蓮宗の管長は、管長推戴委員会で審議の上、推戴されて就任する。管長の職務は、日蓮宗宗制の公布、寺院への親教、宗務総長や貫首、僧階等の認証を行う。宗務行政上の権限は限定的であり、日蓮宗の宗務行政上のトップは宗務総長である。

宗務総長は日蓮宗宗会にて選出され、管長の認証で就任する。宗務総長は、地位的には、管長に次ぐナンバー2であるが、日蓮宗の宗務行政におけるトップであり、代表役員を兼任する。

日本の宗教法人では、ナンバーワンの管長、会長が代表役員を兼任する宗教法人も数多あるが、実際はナンバー2の宗務総長、理事長が代表役員を兼任する宗教法人のほうが多い。

日蓮正宗は、日蓮正宗総本山大石寺法主が日蓮正宗管長、代表役員を兼任する。京都要法寺が本山の日蓮本宗も、管長が代表役員である。これに対して、真宗大谷派(本山・東本願寺)、浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)、真宗仏光寺派(本山・仏光寺)、真宗木辺派(本山・錦織寺)、顕本法華宗、天台宗、浄土宗、曹洞宗等は、管長ではなく、宗務総長が代表役員である。創価学会、顕正会、立正佼成会も、会長ではなく、理事長が代表役員である。が、かつては創価学会も顕正会も立正佼成会も、会長が代表役員だったが、のちに会長から理事長に代表役員が交代したものである。

 

2019.5.9菅野日彰管長就任









































 

 

(201861日付け「日蓮宗新聞」より)