■東京金龍山浅草寺2(秘仏・仲見世通り2)

 

□焼跡、両手足がない「公開できない姿」であるが故に絶対秘仏になっている本尊・聖観音菩薩像

 

東京浅草・浅草寺の起源は、628(推古天皇36)年の創建とされている。江戸時代には、徳川家康が幕府の祈願寺に指定して下町文化の中心的存在になった。現在、宗派名は聖観音宗を名乗っている。元々は天台宗の寺院であったが、第2次世界大戦後、天台宗から独立して聖観音宗を名乗っている。本尊は聖観音菩薩像で絶対秘仏。

本堂は、絶対秘仏本尊・聖観音菩薩像を祀るために、観音堂とも呼ばれる。旧観音堂は、慶安2(1649)の再建で、近世の大型本堂として国宝に指定されていた。ところが第2次世界大戦の東京大空襲によって焼失。現在の観音堂は、昭和33(1958)に再建された鉄筋コンクリート造りの本堂である。東京大空襲によって堂宇が焼失した後、鉄筋コンクリート造りの堂宇を建てた事例として、池上本門寺の大堂がある。昭和の高度成長時代には、宗派を問わず仏教界には、鉄筋コンクリート造りの堂宇を建てることが流行していたのだろうか。創価学会の寄進で堂宇を建てた大石寺も、大坊、大講堂、六壺、大化城、大客殿、正本堂、総坊等々、全て鉄筋コンクリート造りの堂宇を建てている。

ただし、赤い巨大提灯がシンボルの雷門は1960(昭和35)年に再建されたものだが、ここは鉄筋コンクリート造りではない。

さて浅草寺本堂の内陣中央には、秘仏本尊を祀る宮殿(くうでん)がある。宮殿の内部は、上段の間と下段の間に分かれ、上段の間には、秘仏本尊を安置する厨子を納め、下段の間には円仁作と伝承する前立本尊の観音菩薩像を安置する。毎年1213日、浅草寺で特別法要があるときなどは、宮殿の開扉が行われるが、開扉されるのは「お前立」本尊のみで、秘仏本尊は公開・開扉はされない。寺院本堂に祀る中心本尊を絶対秘仏本尊として非公開にし、お前立本尊のみを公開するのは、長野善光寺、比叡山延暦寺等の事例がある。

ということは、常日頃、浅草寺を訪れて参拝する人は、観音堂の前に来て参拝してお賽銭を入れるのだが、本尊は全く閉扉された状態で参拝していることになる。これは長野善光寺と同じ。

比叡山延暦寺の場合は、根本中堂の中心本尊・薬王菩薩像は絶対秘仏だが、秘仏本尊の厨子の前に、前立本尊が祀られて、こちらは常日頃から公開されている。

浅草寺は、今は聖観音宗を名乗っているが、元々は天台宗。天台宗は、本山、末寺とも本尊を秘仏にしている寺院が実に多い宗派である。信者や参拝客の願出によって、本尊を開扉するということもしていないようである。秘仏を開扉する時は、開扉する期間や日時が決まっている。

「なぜ秘仏なのか」「なぜ公開されないのか」の部分が、いまひとつよくわからない所がある。

理由をいろいろ調べてみると、保存や安全のためであるとか、霊験、御利益のためであるとか。御開帳したときのありがたさのためであるとか、いろいろな理由付けがなされている。ここの場合は、焼けた跡があり、両手足がないという、「公開できない姿」であるが故に、絶対秘仏になっていると考えられる。

 

浅草寺9















 

(浅草寺本堂)

 

 

 

□テキ屋の露店ではなく365日常設の売店が並び大賑わいの浅草寺「仲見世通り」売店街

 

浅草というと、東京有数の繁華街であり、浅草の町自体が浅草寺の門前街である。そして浅草寺の普段の日の参詣人の多さを象徴するかのように、浅草寺の参道には「仲見世通り」と呼ばれる売店街が並んでいる。雷門から宝蔵門につづく約300メートル余りの参道に広がっている売店街が「仲見世通り」である。ここはテキ屋の露店ではなく、365日常設の売店である。

どの売店も、店先いっぱいに商品を並べ、どの店も商売繁盛している様子。神社、寺院の参道に、これだけ多くの常設の売店が並ぶ事例は、全国的に見ても数少ないのではないか。

東京近郊では1.浅草寺、2.池上本門寺、3.成田山新勝寺、4.柴又帝釈天5.川崎大師平間寺等がある。全国規模では、1.身延山久遠寺、2.高野山、3.鶴岡八幡宮、4.太宰府天満宮等々が有名。

浅草は、江戸時代から門前街として栄え、庶民の娯楽を数多く生み出してきた町。雷おこし、人形焼き、栗などの名菓や、みあげ物店等が軒を並べている。

まるで毎日が縁日であるかのように、たくさんの参詣人で賑わう「仲見世通り」。江戸時代からここで商売している店もあると聞く。

テキ屋の露店では、フランクフルト、焼きそば、焼き鳥、焼きいか、チョコアイスといったものが多く売られているが、ここはそういう食べ物は少ない。みあげ物店が多く目立つ。夏だと「甚平」をはじめとする服、暴走族が好きそうなグッズも多く売られている。

 

浅草寺15仲見世















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(浅草寺・仲見世通り)