1950年代と2015年の人口統計を比較してみると、能登地方の人口が著しく減少して金沢通勤圏の人口が爆発的に増加している。特に奥能登の輪島市、珠洲市、能登町、穴水町の人口が半分以下に減少。これに対して、金沢市、津幡町、内灘町、野々市市の人口が急増した。これは能登地方から金沢通勤圏に人口が流入しているからである。この約60年の間、七尾線、能登線の廃止等々、能登地方の鉄道を廃止して、のと里山街道、能越自動車道、珠洲道路等の道路を整備したが、能登地方の人口減少には歯止めがかかっていない。これは鉄道廃止、道路建設を進めてきた石川県の政策の失敗が原因である。したがって、石川県の交通行政の失敗を認め、鉄道交通網の整備、産業の能登誘致を進めるなど、政策の抜本的改革・転換が必要なのに、石川県議会や地元自治体市議会・町議会では、この問題が議論された形跡が見られない。このままでは、能登地方が人口減少により死滅してしまうではないか。石川県は過去の失政を認めて、交通政策を根本から改革・転換すべきである。